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京都のお寺 常照寺

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年5月21日
  • 読了時間: 2分

千本通りをひたすら上って行くと、鷹峰の交差点に突き当たります。そこを右に進めば常照寺、左手には源光庵、更に進むと光悦寺とお寺が集まっています。

北大路通りからは歩いて20分くらいでしたが、山が目前に迫り、街中との標高の違いを実感します。

この常照寺は日蓮宗のお寺で、吉野太夫のゆかりの地として知られています。その太夫が寄進したといわれる朱塗りの山門、吉野門が参拝者を出迎えます。毎年4月の第2日曜は「吉野太夫花供養」が行われ、島原の太夫道中の墓参や法要などが営まれるということです。さぞかし艶やかな供養だろうと想像しながら、山門をくぐりました。今は、時折、近くの学園から子どもたちの声が響いてくるくらいで、ひっそりとしています。

正面に本堂が建ち、その裏に吉野太夫も眠る墓地があります。

才色兼備で、その名を海外(明)にも響かせたと言われる太夫は、墓地の奥にひっそりと葬られていました。

その太夫と結ばれたのが、豪商灰屋紹益。二人の物語は今でも様々に語り継がれていることを思うと、当時はどれほど世間を騒がせたロマンスだったのでしょうか。結婚後、十年余年で太夫が病死すると、紹益はその遺灰を酒に混ぜて飲んだと言われています。そんなエピソードが二人の恋物語を現在でも色褪せないロマンティックなものにして、こうして普段は忘れかけている私の乙女心も呼び起こされたのかもしれません。

吉野太夫ゆかりの茶室、遺芳庵はそんな情熱的な物語とは無縁に、静かに佇んでいます。境内には鬼子母尊神もまつられています。小さなお寺ですので、それらをゆっくり見て廻っても20分ほどでした。

新緑も美しかったですが、やはり、何と言っても桜の頃、花供養の際に訪れるのが良さそうです。どれくらいの人出なのか想像がつきませんが、ぜひ一度、太夫道中を生で見てみたいものです。

拝観料は300円でした。

←お寺に掲示されていたポスター。お寺の雰囲気とは少々異なりますが、ほのぼの心が和みました。

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