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ドイツへの旅 6日目⑤ フランクフルト

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年5月30日
  • 読了時間: 3分

そしてフランクフルト中央駅、旅のスタート地点に戻ってきた。

車両から同じく降りようとしていたのは、見たこともないくらい大きなトランクと青年。

引越し???

今日の宿は中央駅からは地下鉄で一駅。

もう着いたも同然、と思っていたのに、地下鉄の駅自体が馬鹿でかい。出入り口がいくつもある。頼みの綱は宿から受け取ったメールの道案内文のみ。

地下では埒が明かないので地上に出るものの、薄暗い中では道路標識も見えない。右も左もわからない。大通りに沿ってとにかく歩き始めて数分。

前方から見覚えのある男性が。

「あの人って・・・」

妹と頷き合う。

あの、巨大荷物の青年だった。流石にあのトランクはどこかに預けたのか、小さいトランクにリュックのみ背負っている。

中央駅で外へ出て行った彼がこちらに向かってくるということで、中央駅の方向だけは間違いない。思わず話し掛けそうになりながらすれ違い、通り名を一本ずつ確認しながら歩き続ける。このままでは振り出しに戻ってしまうと気づき、やってきた大学生らしき二人に声をかける。

「やぁ、どうしたんだい?」

とっても気さくな彼らにほっとして、道を尋ねる。

「うーん、そんな通り聞いたことないな。あ、でも待って、いいものがある」

そう言って一人が取り出したのがiphone。宿の住所を打ち込んで、あっという間にルートを検索。

「あ、ほら、ここだ。この道を真っ直ぐ行って、次にぶち当たった通りを曲がって、しばらく行けばあるよ」

はい、これでメモしたら、とさっとペンを差し出してくれる。まさに至れり尽くせり。

フランクフルト 人気のない街並

彼らとの出会いでしばし疲れも癒されて、道順もわかったことだし・・・と意気揚々と歩き始めたのはよかったが、工事中のエリアで、人気がない上に、日もどっぷり暮れてしまった。

その上、1ブロックが半端ではない距離。ちょっと次の角、が疲れた体には永遠にこないんじゃないかと思えてしまう。

やっと目的の通り名が目に入ったものの、見渡す限り、それらしき建物はない。だだっ広い空き地か、工事中の敷地か、メッセ会場しか見当たらない。

「本当に、本当に、ここであってるの???」

ウォーキング中の通りかかった人に聞いてみる。

「あの、このホテル知ってますか?」

おばさん二人組みに英語は通じなかった。

その次に来たおじさんにも英語はできないと拒否された。

別に尋ねた人には知らないと言われた。

「そうだ、ホテルに電話しよう」

なぜだか自動応答になってしまう。英語の説明も流れるけれど、早口すぎて聞き取れない。

何度か試して諦めた。

宿を探し始めて一時間以上。駅から歩いて数分のはずなのに・・・・・・。

その内、人も通らなくなった。開拓中のエリアだから仕方ない。

もちろん、タクシーだって走っていない。もう、人通りの多い地域まで戻る元気もなかった。

しばらく呆然と立ち尽くしていると、若い男の子がやって来た。

期待せず、取り敢えず聞いてみる。

「あの、このホテル、知ってますか」

知らないと思うけど。

「ああ、ここ。知ってるよ。もちろん」

彼はあっさりとそんなことを言う。

「ほら、あの先。建物の間からサインが見えるだろう」

頭が働かないものの、とにかく進むべき方向は合っているようだ。

「ありがとう!」

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