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オーストリア・スロヴァキア・ハンガリーへの旅 2日目① ウィーン

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年6月4日
  • 読了時間: 3分

朝からウィーン最大の市場、ナッシュマルクトへ向かう。腹ごしらえを兼ねて市場をブラブラ。こんなものまで、とびっくりするようなガラクタから立派な中国の壺までごちゃごちゃと売っている。

ダンボールに山盛りされたバイオリンはさすが音楽の街ならではの光景だったけれど、大学時代、4千円で購入したと言われている学校の楽器を、みんなで大切に使っていたことを思い出し、ここでの扱いの違いに、些か胸が痛んだ。 

ハリネズミ好きの妹が最後まで買うのを悩んでいたのが金属製の置物。5匹のハリネズミを重ねることができる。持ち歩くには重過ぎると泣く泣く諦めた。

神戸の雑貨屋さんでそのレプリカと思われるものが、3倍の値段で売られているのをたまたま見つけて悔しがったというのは後日の話。

ナッシュマルクト

肉屋のサンド

野菜から果物、肉、魚やチーズなど食べ物も豊富に売られている。その中でも肉屋で買ったサンドが最高だった。

英語は通じなくとも心は通じる。

「サービスしとくわ」という笑顔と共に、肉屋のおばちゃんはたぷりと肉を挟んだパンを手渡してくれた。これで2ユーロ。近くにあったら毎日通いたい。

トルコ系と思われる人々が出す店も多く、食材にエキゾチックな香りが混じっていた。その一軒でチーズを詰めたアーティチョークのピクルスを買って、道端で齧る。癖のあるチーズとピクルスの酸味が合わさって、見た目の繊細さとは異なる面白い味だった。他にも地味に手間が掛かっていそうなチーズをつめたオリーブが何種類も売っていた。

市場の魚

市場を散策するついでに楽しめるのが、マジョリカハウス。

1899年に完成した美しいバラ模様の外壁をもつオットー・ヴァーグナー作の住宅は、現在も一般の住居として使用されている。その内部のエレベーターも見事だということで、中を見られないのが残念だと妹が嘆く。美しい外観だけでもとカメラを向けているのは私たちくらいで、街に溶け込んで建っているせいか、目を留めている人はほとんどいない。

マジョリカハウス

市場で楽しみすぎて、気が付けば時刻は昼前。

取り敢えず、マーケットへ来ることしか考えていなかった私たちは慌てて次の計画を練る。

やはりシェーンブルン宮殿を見ておこうと話がまとまり、地下鉄で向かう。ピークシーズンは過ぎているはずなのに凄い人。チケットを買う段になって、更に驚かされる。

次に参加できるガイドツアーは2時間後。ガイドなしでも1時間半は待たなければ入れないという。太陽はちょうど頭上にあって、宮殿周囲の立派な庭園を歩き回るのも気が進まない。貴重なウィーン滞在時間を無駄にはできないと、その日最後のツアーに申し込んで一旦街まで戻ることにする。計画性がないのはいつものこと。

短い時間の中で目指したのはグスタフ・クリムトの壁画「ベートーベン・フェリース」が展示されているセセッシオン。金色のキャベツと呼ばれる建物の上部に配されたドームは炎天下では眩しすぎるほどだった。

セセッシオンの金色のキャベツ

1902年に製作されたこの壁画は、ベートーベンの交響曲第9番をモチーフにしたもので、地下の個室をぐるっと取り囲むように6つのテーマが並んでいる。

当初は展示会の後、廃棄される運命だったと聞くと、尚更、今、こうして目にしていることが感慨深い。ファンタジックな世界の中に、人間の愚かさと醜さと美しさと逞しさが拡がっていて、「歓喜の歌」を聞きたくなる。合唱経験のある母が小声で歌い出す。母の場合、小声が小声に聞こえないという問題が・・・。そもそもあれはホールで大合唱に包まれてこそ、その醍醐味がわかる曲じゃないだろうか。

壁画を堪能し終わるともうすっかり昼は過ぎ、ティータイムの時間だったので、美術館近くのカフェ、その名も「cafe museum」へ行ってみる。それぞれ好きなものを注文し、一口ずつ分け合う。どれも甘すぎず、くどすぎず、疲れた体に染み渡る美味しさ。すっかりウィーンのスイーツの虜になった。

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