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オーストリア・スロヴァキア・ハンガリーへの旅 5日目② ウィーン→ブラチスラヴァ

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年6月22日
  • 読了時間: 3分

ウィーンの街並。賑わうストリート。

ウィーンの街並。新旧同居。

そうして束の間のウィーン観光を楽しんだ後は、すっかり慣れ親しんだ地下鉄に乗ってウィーン西駅に戻る。

昨日からコインロッカーに預けていたスーツケースをピックアップする。スロヴァキアの首都、ブラチスラヴァへは安くて便利、というバスで向かうことに決めていたので、まずはバス乗り場へ向かう必要があったが、そこではたと気づく。

今、何時?

バス停は西駅からは離れた場所にあった。

スロヴァキアの行きのバス発車時刻まであと三十分ほどしかない。

その次のバスだとブラチスラヴァに着くのが夕方になってしまう。

何を悠長に荷物の入れ替えなんかやっていたのだろう。四人もいると、何かと手間取る。

公共交通で向かうことは諦め、タクシーを捕まえることにする。この旅、初タクシー。

英語が通じているのかいないのか定かでないものの、バスターミナルへ行ってほしい、という思いは伝わったようで、車が動き出す。

バスターミナルは二つある、と妹が騒ぎ出し、運転手にしつこいほど念を押す。

過去の経験からすっかり疑い深くなっている。後は間に合うことを天に祈るしかない。

ターミナルはウィーン郊外にあった。到着すると、バスが止まっている。安堵の息を漏らすも、発車まであと五分。急いでチケットを買いに走る。

「あれ?荷物、載せておいてくれなかったの?」

バスの入り口で待っていた母と妹が困ったような顔をしている。

チケットがないと駄目だと入れてもらえなかったという。挙句、

「もう、トランク閉めたから、荷物は持って入って」

とのこと。流石、ドイツ系?きっちり、というか、堅すぎる!

ドライバーの顔には「それでもあんた達を待ってたんだから、感謝しな」と書いてある(ように見えた)。渋々トランクを車内に持ち込んで、座席の隙間にどうにか押し込む。そうして発車したのは定刻前だった・・・。

ブラチスラヴァまでは1時間半の旅。足元がやたらと窮屈だったけれど、疲労困憊であっという間に眠りに落ちる。時折、小さな町を通過しながらバスは快調に飛ばす。

どことなく車窓を流れる風景が変わり、国境を越えたことを知る。EU圏はノーチェックで煩わしさはないけれど、新しい国に足を踏み入れる感激のタイミングを逃す。

ブラチスラヴァのバスターミナルは街の外れにあった。大きなターミナルは人で溢れているものの、一見して観光客とわかる人は少ない。特にアジア人はほとんど見当たらない。

今日泊まる宿はここからさほど遠くないはずだったが、ターミナルが予想以上に大きかったせいで、右も左もわからない。

ベンチに腰掛けていたおばさんに話し掛けるも、英語がわからないと拒絶され、中学生くらいの女の子に聞いてみると、2人ではにかみながらやり取りされる。

「あなた私より、英語得意でしょ」

「え、私?困るよ・・・・・・」

そんな感じで、なんだか、親近感が沸く。でもこっちも切羽詰まっているので、引き下がれない。

地図を見せ、右に行くのか左に行くのかだけをどうにか聞き出し、後は勘を頼りに歩き出す。

自他とも(少なくとも私は)認める方向音痴の妹が予約した宿なので、不安は付き纏うけれど、信じて歩くしかない。本日泊まるのはアパートで、オーナーが私たちの到着に合わせて建物の前で待っていてくれることになっていた。その時間は既に過ぎている。

朝から3回目となる焦燥に駆られながら、スーツケースを引っ張って私たちは黙々と歩いた。

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