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オーストリア・スロヴァキア・ハンガリーへの旅 8日目 ブダペスト

  • 執筆者の写真: tripampersand
    tripampersand
  • 2016年8月8日
  • 読了時間: 3分

何時の間にか、旅が終わろうとしている。感傷に浸る間もない。

タクシーを頼んだので(宿のお兄さんにお願いしていたので今回は安心)、朝食を楽しむ時間があったことがせめてもの慰め。特に一人、先に帰路に就くとあって、名残惜しい気持ちも一入だった。

ブダペストの建築物

空港までの道すがら、工芸美術館の前を通り過ぎた。(というより、空港まで一直線に続く道の途中にそれが建っていた。)

天気が良いので昨日より鮮やかな姿を見せていることに嬉しくなってドライバーに告げるが、彼の反応は今ひとつ。毎日見ていれば、確かにそんなものかもしれない。けれどその後も、私のつぶやきに付き合ってくれた。素敵な街並に感激したことを伝えると、そんなことないよ、と返ってきた。謙遜というわけではなさそうだ。

「この百年で、車が走り回るようになって、排ガスのせいですっかり建物が黒ずんでしまった」

そう言いながら、諸悪の根源のハンドルを握る彼。その表情は窺うことができなかった。

ブダペストの灰色がかった建物。

私はというと、ウィーンからブラチスラヴァ、ブラチスラヴァからブダペスト間のタクシー移動は色々あっただけに、旅の最後の車中、穏やかな気持ちで過ごせるだけでも、自然と笑みが零れてしまう。

空港へはドライバーの予言通り35分で到着。

2Aターミナル出発と聞いていたのでそこに着けてもらったが、確認すると2Bからで、最後の最後でまた焦る。歩ける距離で良かった。

セルフチェックインしたので時間的には問題なかったけれど、荷物を預けるカウンターのお姉さんが恐ろしく愛想がなかった、というのは控え目すぎる。凄まじく虫の居所が悪かった様子で、慣れたはずの手続きに動揺してしまった。無事に出国ゲートを潜ると、旅の終わりを否応なしに感じさせられる。

ブダペストの建物側面のレリーフ

街並や人との出会いも忘れ難いものだけれど、これほど食事に満足できるとは予想していなかった今回の旅。その辺のパン屋で買ったパンも、ふらっと入ったカフェのコーヒーも、由緒正しいレストランもお腹と心を満たしてくれた。道中のいざこざもハプニングも終わってみれば旅を彩るエッセンス。いつも以上に賑やかな旅となった分、日常に戻る寂しさが押し寄せてくる。それを紛らわせる方法はただ一つ。次の旅先を考えるしかない。次はどこを旅しよう・・・。

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長々、ウィーンからブダペストまでの旅にお付き合い下さり、ありがとうございました。

どこも素敵でしたが、文化もグルメも街歩きも楽しみたい欲張りな方にはウィーンとその周辺を、「観光地」という雰囲気を避けて徒歩で歩き回って、小さいお店を覗いたり、カフェでゆっくりしたりしたい場合はブラチスラヴァを、建物を写真に収めながら街歩きするならブダペストをお勧めします。

ぜひ、あなただけの旅を見つけてみて下さい。

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