オランダへの旅。3日目②海のような湖に面したフォーレンダムを満喫。
- tripampersand
- 2016年9月1日
- 読了時間: 4分
大賑わいのフォーレンダム
次に向かったのはフォーレンダム。小さな漁港で、近年は夏のシーズン、観光客にも人気だという。
エダムからは歩けそうな距離だけれど、バスに乗った。観光案内所で道を聞いたので、今度は迷わず中心部を目指す。
その途中、店に囲まれた小さな広場で、ビーチボール大会が開かれていた。バレーボールが人気というのは聞くけれど、やっぱりビーチバレーもなんだろうか。集まっているのは恐らく高校生。仲間とふざけ合ったりしている姿はどこの国も同じ。コートは仮設なのか常設なのか。周囲の石畳にも砂が飛び散って、後で掃除が大変そう、などと全く夢のないことを、大人になった私は考えてしまう。
そこを通り過ぎて坂を上っていくと、視界が開け、水辺に出た。正面に見えるのは海のように見えるけれど湖。20世紀になって建設された堤防によって、海と隔てられたという。
その湖を見下ろすように並ぶ土産物屋とカフェ。人が埋め尽くしている。

この雰囲気。日本の観光地と変わらない。ここまでとは思わなかったな、と内心がっかりしながら歩いていると、魚料理を売る屋台があった。
「あ、ハーリングある!」
ハーリングはオランダ料理の一つ。ニシンを塩漬けにしたもので、玉ねぎと一緒に食べる。まだ、トライしていない!
パンに挟んだものもあったけれど、ハーリングのみを購入。運よく人が離れたベンチに陣取って、早速いただく。
脂がのった身はトロっとしていて、生なんだけど、生過ぎない。魚臭さは全くなくて、玉ねぎのみじん切りが絶妙のアクセント。感激の一品。ちょっと塩味が効いているので、パンと食べるのが正しいのかも。

フォーレンダム来て良かったぁ、とコロッと機嫌も良くなって、やっぱり観光客な私たちは、結局、土産物を冷やかしながら、湖沿いを店がなくなるまで歩いた。
フォーレンダムで古い街並みを歩く
湖と通りを挟んで反対側は古い街並みが残っている。細い路地を下ると、一転、地元の人々の暮らしを覗くことができる。観光客もあまり来ない。
生後間もない赤ちゃんをあやしながら、戸口に立つ女性。庭のテラスで団らんする家族。路地の両側にこじんまりした家が並んで、エダムよりもっとぎゅっと家々を集めた感じ。素朴ながら、自然とすれ違う人にこんにちは、と言いたくなるような、暖かい空気に包まれている。

オランダに来てから有り難いことに天気に恵まれ、今日も晴天。その分喉は乾くし、体力を消耗。あのにぎやかな界隈で休む気はしない、と人気がなさそうなエリアを歩いていると、アイスクリームの看板を見つけた。
店に入ると、テイクアウトを待つ客がいた。どうやら地元の人、御用達のお店。サラダが売り、でもナシゴレン(なぜか時々アジアン)やピザなど、ボリュームある軽食も提供されている。席に着く間にも次々と人が来て、両手いっぱいに何やら買っていく。
私たちは喉を潤そうと飲み物メニューを開く。
あ、シュウェップスのビターレモンがある!
オーストリアで飲んだなと懐かしく思い出す。日本では見かけなくなってしまった・・・。迷わずそれを注文。それからアイスクリームも!

どうもお客さんへの対応はお姉さん一人。今日はとっても忙しかったの、片付いてなくて、ごめんなさい、と言いながら、隣の席に放置されたままだった皿を回収に来る。そんなバタバタとした中でも、「どう?他に何か食べる?」と尋ねてくれる。てきぱき働く彼女はとっても感じが良い。
途中、深刻な顔した青年がやってきて、店の奥から出てきた男性(オーナー?)と席に着いた。バイトの面接だろうか。
手帳片手に男性が色々と話しかける。緊張しているのか、青年はじっとしたまま。ごく時折、ぼそぼそと返答する声が聞こえる。横目で盗み見るも、相槌を打つこともなく、無表情。絶対、こんな店員に対応されたら怖気づいてしまう。そのうちに、二人はカウンターへ移動して、レジ周辺の説明が始まった。
早く人を増やして、あの激務を耐えているお姉さんを助けてあげてほしいけれど、彼で大丈夫か一抹の不安・・・。
このお店、名前がCAFETERIA KIPPIEだとわかったのは、案内所でもらったマップのおかげ。そこに広告が載っていることに、店に入ってから気がついた。
もしもフォーレンダムを再訪することがあったら、ぜひまた来たい!接客はもちろん、トイレもきれいで、ビターレモンは相変わらずの美味しさで、良いお店だった。あの混雑ぶりからすると、食事もおいしいに違いない。ただ、次に来る頃は、あの青年が接客しているのかもしれないが・・・。
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