オランダへの旅4日目②チーズの街ゴーダはゴーダじゃなかった。
- tripampersand
- 2016年9月16日
- 読了時間: 4分

海外旅行を無事に乗り切るためには、周囲の観察も怠らず・・・
デフェンターを歩き回って、やっぱり素敵な街!と確認しているうちに昼になり、カフェが賑わい出した。いい加減に次の街に移動しなければ、夕方になってしまう。
後ろ髪引かれる思いで、スーツケースをピックアップし、駅に向かう。
次の目的地はゴーダ。エダムに続いてチーズの街。ただし、駅で切符を買おうと行き先を告げるもスムーズに伝わらない。どうも、私の発音が悪い様子。何度か「ゴーダ、ゴーダ」と言っていると、「ああ、”ハウダ”ね」と返って来た。地名の発音は難しい…。
ゴーダ(私の耳的にはハウダ)までの電車は直通ではなかった。駅員さんが乗り換えや発着時間の記載された紙をプリントアウトしてくれる。プラットフォーム番号も書いてあるのでこれで一安心。
ミッフィーの生みの親、デイック・ブルーナの街としても知られるユトレヒトで電車を乗り換える必要があった。行き先と発車時刻をホームの表示で確認して電車に乗り込む。
ところが、発車時刻になっても動き出さない。おかしいなと思っていると、放送が流れた。もちろんオランダ語。周囲がそわそわし始め、一部の人が電車を降り始める。
「なんて言ったんですか?」
近くにいた若者に聞いてみる。
「電車がキャンセルになったから、乗り換えろって」
外に出ると駅員さんが急ぐように指示している。慌ててこちらも走り出し、ホームを上って降りて。隣のホームに停車中だった別の列車に乗り込んだ。
オランダの電車はどの車両も2階建て。出入り口のドアはその真ん中にある。つまり、上に行くにも下に行くにも、狭い階段を上り下りしなければならない。スーツケースがあると重労働。この一瞬の出来事で息が切れてしまう。(決して日頃の運動不足や、年齢のせいではないはず・・・。)
勢いで飛び乗ったので、行く先が合っているか不安があったものの、無事に目的地に到着した。
スーツケースと共に旅する不便
ゴーダ駅はとても小さかった。
案内所なんてないので、切符売り場で聞いてみる。
「あの、荷物預ける場所ってありますか?」
「駅にはないわ。ただ街の中にあるから」
駅員さんが街の地図を取り出して、場所をメモしてくれる。
手慣れている。きっとよく聞かれるんだろう。スムーズな応対でとっても助かる。
駅から街まで歩いて十分ほど。スーツケースがあると、移動も厄介。小さめとはいえ、買い込んだお土産で確実に重さを増している。それを引きずりながら街中までやってきた。
「うーん、この建物の横に印があるんだけど…」
見渡す限り、それらしき表示はない。
「もしかして、このメモが間違っているとか???」
その可能性も高い。
教えてくれたのは駅の職員。最新情報だったかどうかもわからない。
向かいのショッピングモールの店員に聞いてみるも、ここにはない、との素っ気ない返事。人込みの中、スーツケースを引きながら辺りを一周してみる。更に通りを行ったり来たり。
でもやっぱりない。
このまま観光するのはどう見ても現実的じゃない。石畳の街は素敵だけど、スーツケース連れには優しくない。どうしよう…。
もう一度、メモを見てみる。
目印として書いてくれたのがHEMA。オランダの雑貨屋さん。食品からファッショングッズまで売っていて、安価でお洒落。北欧雑貨のフライングタイガーコペンハーゲンのような雰囲気で、きっといつか日本にも進出してくるに違いない。。。とにかくオランダではそこら中で見かけた。
そこに入って聞いてみる。
「あの、すみません。この辺で荷物預けられるところ、ありますか?」
話しかけたのは大学生くらいの店員。
「あ、オレはちょっとわからないけど、知っているスタッフがいるかも。聞いて来るから待ってて!」
買い物客でもないのに、とっても親切。
しばらくして戻って来た。
「ごめんね。わからないって。でも、ここを左に進むと自転車を預かってくれるところがあって、もしかしたらそこで荷物も預かってくれるかもしれないよ!」
弱っている心に笑顔が向けられると、三割増しで格好良く見える。(割り増さなくても、たぶんカッコよかった。)
アドバイス通り、さっき途中まで歩いた道を更に進んでみる。
倉庫のような入り口に、小さな看板を発見。
「あ、荷物預かるって書いてある!」
そう、確かにメモは合っていた。若干、地図の距離感がおかしかっただけ。駅員さん、疑ってごめんなさい!
でも、ここって、知らなかったら絶対わからないだろうな。
人気がなくなった通りの殺風景なところにある(隣はゴミ捨て場だし)。来てみないと看板も見えないし・・・。
聞いといて良かった。お兄さんにもお礼言っとけばよかったな、と今になって思うけど、その時は荷物を預けられた時点で、もう過去の人になっていた。

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