オランダへの旅5日目⑤ドルドレヒトに別れを告げる
- tripampersand
- 2016年10月8日
- 読了時間: 4分
ドルドレヒトで最後のショッピング

多くの店の閉店が5時なので(もっと早い場合もある)、それまでにできるだけ回ろうと、急ぎ足になる。昨日、窓越しにチェックしていた陶器製品の店に入ると、店主と思われる上品な初老の女性とその友人?が話し込んでいた。ドルドレヒトの人はおしゃべり好きなのかもしれない。店番も片手間な感じで、ちょっとその緩さが羨ましくも思える。
店に並ぶのはどれも手作りと思われる作品。食器からアクセサリー、羊の置物まで、小さいお店に所狭しと並んでいて、目移りしてしまう。他の客はいなかったので、店主ともう一人に見守られながら数点を選び、会計をしてもらう。
「どれも素敵ですね」
そう話しかけると、全部、私が作ったのよ、とのことだった。ご本人だったのか。温かみのある人柄が作品にも表れているのかもしれない。どこかユーモラスでほっとするようなものが多かった。おまえに端数をおまけしてくれた。良い買い物をしたな、と満足し、宿まで戻る。
ドアの前に立って、自分に言い聞かせる。うん、きっと今度は大丈夫。今朝、出発前に十分練習したし。
恐る恐る回してみるものの、危惧したとおりの結果。
なんで、なんで開かないの!
ドアに体当たりしたり、思いっきり引いてみたり。色々するけど、やっぱり鍵が回らない。
すると、盛大に音楽を流しながら一台の車が正面に止まった。どうやらお隣さん。更に、カップルがやってきて、私たちの横に立った。あれ?もしかして・・・
「あの、ここに泊まってるんですか?」
「いや、今日、これから泊まるんだよ」
そう言って、何のためらいもなく呼び鈴を鳴らした。
ドアが開いて、オーナーが顔を出す。
「あ、どうも、荷物取りに来ました。たまたま彼らと会って」
あんなに練習させてもらったのに、また鍵が開かなかったとは言いにくい。
上手く誤魔化せたと思ったのに、荷物を運び入れていたお隣さんが話しかけてくる。
「彼女たち、ドアのカギを開けられなかったみたいでさぁ」
みたいなことを言っている(オランダ語だったけど)。余計なことを・・・。
苦笑いで別れを告げて、駅へ向かう。
お店を見て回っていた際にはすっかり忘れていた疲労が、どっとやってくる。スーツケースが重い。駅までが遠い。今日の宿はロッテルダム。早く移動した方が良いんだろうけれど、力尽きる。
駅正面の大通り沿いにあった店で休むことにした。
ドルドレヒトで出会った一皿
外のテラス席は大賑わいだったけれど、店内は比較的空いていて、座り心地良さそうなソファー席もある。広々とした空間に落ち着いた照明と心地よく流れる音楽。値段はちょっと高めだけれど、疲れた体を休めるにはピッタリだった。
飲み物だけ、と思っていたけれど、お腹も空いていることに気がつく。軽くつまめそうなもの、と前菜の盛り合わせを頼んだ。スタッフも感じが良い。
そして、運ばれてきたプレート。
うわ、なにこれ!美しい盛り付け。一品一品説明してくれたけれど、よく覚えていられないくらい、どれも手が込んでいる。味も見た目を裏切らない。いや、それ以上だった。

隣のグループなんて、ソファーに足をあげて三角座りするくらい寛いじゃってる。そんな気取らない空気の中で、こんなに本格的で美味しい一皿がいただけるなんて。もちろん、頼んだスムージーもレモネードも量も十分で満足の味。他の料理も気になるけど、今日はロッテルダムで宿泊なので、いい加減、向かった方が良いだろう。暗くなってから、宿の場所を探して右往左往したくない。

店を出る前にお手洗いに行く。と、ここで問題発生。
男女で分かれているのに、オランダ語のサインしかない。どちらも白い文字で書いてある。え、どっち?
思い切ってドアを開けると、便座タイプが一つ。じゃ、こっち???
わざわざ誰かに聞きに行くのも面倒なので、そのまま利用して、手を洗っているとドアが開いた。
「アッ・・・」
すぐに閉まる。男性だった・・・。そして再び開く。
「間違ったかな、と思ったんだけど」
いや、間違ってるのは私ですから。
このトイレのわかりにくささえなければ、パーフェクトだったのに。。。
でももう二度と間違えないと思うので、ドルドレヒトを再訪するチャンスがあれば、絶対、また来よう。
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