オランダへの旅5日目⑥最後の街、ロッテルダムへ。
- tripampersand
- 2016年10月11日
- 読了時間: 4分
電車に乗る際は改札に要注意

そうして、とうとう旅の終着地、ロッテルダムにやって来た。ここの改札はバーが降りている。切符をタッチするけれど、エラーになる。妹はスタスタ行ってしまった。なぜ私だけ・・・・・・。
駅員さんに訴えると、切符を読み取って、履歴を調べてくれた。
「ドルドレヒトの入場記録がないよ」
「え、でもちゃんとタッチして入りました!」
どうやら、ドルドレヒトの駅には別の会社も乗り入れていて、そちらの改札を通ったようだ。並んでいたから区別があるなんて知らなかった。妹の真横を通ったのに、運命が分かれた。そういえば、ゲートの色が二種類あったかも。
なんだか色々説明しているけれど、多少英語に訛りがあったのと、こっちは疲れていたので話半分に聞いていると、きみ、こっちが言っていることわかってないでしょ、と言われた。
あ、今のはばっちりわかりましたよ!
取り敢えず、次から気を付けますから、と通してもらった。

ロッテルダム駅を出ると、途端にモダンな街が広がっていた。駅からして近未来的。第2次世界大戦で破壊され、古い街並みはほとんど残っていないという。旅してきたオランダの他のどの街とも異なる雰囲気だ。
駅から伸びる大通りを歩くのは、実に様々な人種の人々。ロッテルダムは特に他民族が混じり合って暮らしているように思えた。黒人と白人、イスラム系とヨーロッパ系、カップルや家族の組み合わせも様々。この融合した雰囲気は国際都市の中でも一歩先を行っているかも。
ロッテルダムの今夜の宿はホテル?アパート?
今日の宿はセルフチェックインだった。
「あ、ここだと思う」
妹が立ち止まったのは、賑やかなレストラン街に面した小さなドア。周囲は夕食を楽しむ客でいっぱい。ドアの横のテンキーに事前にメールで知らされていた暗証番号を打ち込む。
鍵が開いたようなので、ドアを開ける。
「うわ、せまっ!」
狭くて急な階段。でも、もう初めてではないので驚かない。ドアを開けるとすぐに階段が始まっている、というのも日本ではなかなか見ない。その狭くて急な階段をスーツケースと共に上がっていくのは一仕事。部屋がある3階まで来ると息が上がっていた。
鍵は建物の中に備え付けられたボックスに入っていた。a small hotelという名前だったけれど、ホテルというよりアパート。

中に入ると必要なものがシンプルにまとめられた部屋だった。内装は最近やり替えたようで、明るくてきれい。部屋には食事をとれるコーナーがあって、食器やカップ、グラスも用意されている。ただ難点があった。テーブルや椅子が疲れた体には応える高さ。ここもオランダ人使用なのか、私たちはよじ登らなければならない。テーブルの上にはネスプレッソマシーンもあった。もちろん使ってみる。まさかこれが悲劇を生むとは。
ドルドレヒトで軽く食べたせいもあって、お腹もそんなに空いていなかったので、夕食は簡単に済まそうと、駅でサンドウィッチを買っていた。ちょうど食べるスペースもあるし、と準備をしている途中、妹の肘がグラスにあたった。
あ、っと思った時には遅かった。薄いガラスでできたフルートグラスは木っ端みじん。無駄にテーブルが高かったせいで、落ちた衝撃も大きかったようだ。
一応、何かあった時の連絡先はわかっている。けれど、これから電話して、事情を説明して、どこに待機しているかわからないスタッフに来てもらって、片付けてもらう、というのは、現実的じゃない。
自分たちで片付けるか。
そう決めたものの、掃除道具がない。アパートのような室内でも、アパートではない。ここはホテル。自分たちで掃除をする仕様ではもちろんない。仕方ないので、長年、旅に連れ添ってくれたハンドタオルを犠牲にする。フローリングの床だったのが不幸中の幸い。タオルで散乱した破片をかき集める。ネスプレッソを使うため、グラスを脇に押しやったのがいけなかったようだ。
最後まで寛ぐことができない一日で、ベッドに入った瞬間、眠りに落ちた。
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