オランダへの旅7日目①ロッテルダムからスキポール空港へ向かう
- tripampersand
- 2016年10月17日
- 読了時間: 4分
いよいよ帰国の日がやって来た。その前に腹ごしらえ。外で川辺に座って食べようと思っていたのに、朝から豪雨で到底無理。
仕方がないので、部屋の中で昨日、購入していたサバの燻製を取り出す。魚丸ごと一匹が燻製になっている。こんなお洒落な部屋で広げるには気が引ける魚臭さ。しかも、またしても食べる道具がない、ので手づかみ。
ピタパンに挟んでみるけれど、収まりきらない。ああ、でも幸せ。魚好きには間違いなくおすすめ。ハーリングも美味しいけれど、これはこれで捨てがたい。お手頃価格だし。
なるべく床にはこぼさないように食べたけれど、骨と頭は残った。厳重にくるんでそれらをゴミ箱に捨てる。それから窓を開けて換気。まさか、ここであんなもの食べたなんて、気がつかれないよね!?
本当は2千円くらいする豪華な朝食を付けられたんだけど、それはやめて、どこかカフェで食べよう、と話していたのに、結局、カフェにさえ行かなかったな、と魚臭くなった手をゴシゴシと洗いながら考える。でも、きっと次もこのサバの燻製とカフェでのモーニングの二択を迫られたら、サバを選んでしまう自分を容易に想像できる。でもせめて、箸は用意しよう。
「そういえば、これに乗らなかったね」
忘れ物がないか確認してドアを開けると、目の前にあるのは木の梁から垂らされたブランコ。ふざけてました、という歳ではないし、一応それなりのホテル。他の宿泊客に目撃されたくない、ということで躊躇ってしまった。人生で何かを逃した気がする。

この旅初めての本格的な雨だったけれど、チェックアウトしている間に小ぶりになった。
さよなら!と宿を後にして、メトロで中央駅に向かう。昨日、券売機があることは確認していたので、さあ購入、と買ったら往復チケットが1枚のカードで出てきた。掛ける2となっていたから二人用かな、と思ったのに。払い戻ししたいけれど、すべて自動で駅員の影はない。仕方ないので、二人分のチケットを買い直す。中央駅に行けば何とかなるはず。

中央駅には市内交通の案内所もあって事情を訴えると、ちょっと迷惑そうにされながらも、お金を返してくれた。更に、ここでスキポール空港までの切符を買う。案内所にはアムステルダムにもあった乗り換え検索の端末があって、自由に列車の時刻を調べられて、とっても助かる。
早く着きすぎるけど、特にやることもないしと、次の列車で向かうことにして改札を入ったものの、構内の電光掲示板に表示がない。後数分で出るはずなのに。
構内に何かアナウンスが流れているけれど、聞き取れないので係のおじさんたちに聞いてみる。
「あの、スキポール空港行きたいんですけど」
「ああ、一本、キャンセルになったから、次のに乗って」
次の電車は30分後。事も無げに言われたけれど、30分毎にしかない電車がキャンセルってあり?早めに来ていて良かったと心から思う。絶対次の電車には乗りたいので、早めにホームへ行くと、既に止っている列車があった。行き先も間違いなさそうだったので乗り込んでおく。
すると次々に乗客がやってきて、出発するころにはほぼ満席。結果的に座れたし、フライトにも十分間に合う時間に空港に着けたけれど、この旅で度々の予定変更を経験したので、オランダの鉄道は要注意と記憶に刷り込まれた。
そうしてとうとう戻って来てしまったスキポール空港。今日も混雑している。インターネットで座席のチェックイン手続きは終えていたので、荷物だけ預けようと列に並ぶ。なんと荷物を預けるのもセルフスタイル。自分で台に置いてボタンを押す。すると目的地まで表示されたタグがプリントアウトされて出てくるので、自分で荷物に取り付ける。これは初めての経験だった。ほんと、空港もどんどん進化していく。
人件費削減かもしれないけれど、機械操作に慣れない人も多くて、スムーズとは言いがたい状況だった。係員もあちこちで呼びつけられて忙しそう。
無事に荷物を預けた後は出国ゲートへ向かう。そういえば、昨日の夜買った2リットルの水、ちっとも飲み終わっていない。全く喉は乾いていないけれど勿体ないので、無理やり飲む。あちこちで同じような光景が繰り広げられているのがちょっとおかしい。それでも残った液体類はゴミ箱行になるわけだけど、その前に2人の警備担当が立ていた。
「はい、どなたか、アルコールはもっていませんか?」
「ウォッカ、ラム、ビール、アルコールなら何でも!ワイン、大歓迎!あ、ジュースは要りませんよ!」
大真面目でそんなことを言っている。長い列にうんざりする人々に笑みが浮かぶ。人々の注意も引くし、上手いやり方。日本ではあり得ないだろうけど。こんな柔軟性は見習ってみるべきかも。
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